ピンクうさぎ、かめに負ける

雑記帳。ご興味に合いましたらいらしてください。

今年のクリスマスプレゼントはクリスマスキャロル

大人になるとプレゼントをもらうことは少なくなるが、今年のクリスマスはステキなプレゼントを受け取った。クリスマスシーズンに上演される「クリスマスキャロル」のミュージカルを観にいけたのだ。

ミュージカル「スクルージクリスマス・キャロル~」 日生劇場

クリスマスのイルミネーションで飾られた街を抜けて、赤い絨毯のホールに大きなツリーの飾られた劇場のロビーに到着しただけで日常からかけ離れた体験ができる。会場の日生劇場はかなりの観客収容数の劇場なので、これから幕の上がる舞台を待ちわびる人で蒸し返している。

先日上げたブログのテーマでクリスマスキャロルの読書感想を上げたのだが、実を言えばこの観劇の予定のために前勉強として読み返していたのだ。
クリスマスキャロル

岩波文庫のクリスマスキャロルでは、主人公のスクルージを導く謎めいた精霊たちとの時空行脚のはてに主人公スクルージが大きな感懐と、大きな後悔。そして、過去への後悔をしたことによって大きな絶望を抱いたあとに・・・という物語で。主人公の、人生を変えるような経験と一緒にダイナミックな感情の起伏を追体験させてくれる。現在過去未来を見せて、自分の行いを悔い改めるよう諭す、説法的な感じもある。
ミュージカルでは幕間の前に入る『〜あなたが好きだから〜』と謳う楽曲が深く心に残ったが、一貫していろんなセリフや場面での登場人物たちが市村正親さん演じる主人公スクルージのことが『好きだから』ということが全面に出ていて、人への思いやりを持つことを思い出させてくれるストーリーだった。
特にミュージカルのなかでもスクルージへの『好きだから』、「あなたのことを思っているから」を明確に表している、ある人物の正体が明かされるシーン。これが観ていてぞくぞくするようだった。事前にクリスマスキャロルの本を読んでいたから、そこのシーンでそのような人物を入れてきたことで、すっかり舞台の上のスクルージに親近感が湧いて好きになってしまった。
そのほかの様々なシーンで出てくる『ありがとう〜』と謳う楽曲でも、後半の場面でスクルージに対して同じ人物から再度歌われたときに思わず拍手をしたくなったぐらいだ。ミュ〜ジカル観劇の無作法に触れないのであれば、あのスクルージがありがとうと言われた瞬間に拍手をしたかった!

素晴らしい演出と生演奏のミュージカルを観ることができて、大人になってこの季節にこんなに温かい舞台を観られて久しぶりに心に温かいプレゼントを受け取れていい経験だった。