クリスマスキャロル
クリスマスキャロル
クリスマスによく語られる「クリスマスキャロル」。タイトルがそのまま「クリスマスの祝歌」なので、祝歌のことなのか、物語のことを指すのかよくわからなくなるけど。どっちもクリスマスによくもてはやされる。
さらっとストーリーをさらっても、けちなおじいさんが精霊によって改心して慈悲の心をとりもどすという普遍的な改心物語であるので、いまでは宗教的な物語というとらえかたをされていないようだ。だけど、改めて原典に近い物語を読んでみると細やかなところで、キリスト教や、作者のディケンズが育ったクリスマスの行事を拾ってうまく組み立てていて面白い物語であると思う。
今回私が読んだ本は、この岩波書店からの愛蔵版である。この本でのいいところは挿絵が作者ディケンズの発行した当時の時代のものをそれぞれ取り入れていて、挿絵からもディケンズの時代の風習がよく読み取れるところだ。あとがきでも挿絵の出典について解説されているが、今の日本での祝いかたとはまた違っていて面白い。