今から銀の匙を獲得したい!

 

 この漫画について語りたいと思う。

あらすじは、挫折を経験している高校生の主人公が、慣れない農業高校で奮闘するストーリー。

タイトルにつけられている銀の匙は、ヨーロッパで「生まれた子が食べ物に困らないように願いを込めて銀の匙を贈る」風習からとられていて、舞台となっている農業高校にも、校内に銀の匙が飾られている描写がある。それは、そこで学んでいる生徒たちに、食べていく手段を身につけてほしいという学校の方針を示しているもので、ストーリーのなかで登場人物は身を立てるために奮闘していくという物語だ。

登場人物がいろいろな困難を乗り越えるための動機を、農業の理屈だったり、高校生の進路選択の理屈だったりをしっかり消化して、出どころのわからない努力とか根性とかだけでは片付けていないので、フィクションコミックスだけれども読み応えがある。

私自身は高校生活から離れてはや何十年にもなるが、このコミックスを読むとその時期の一途な熱気を思いだして元気がわいてくる。

読んだあとにはたとえ今からでも、銀の匙を得るための努力をしたいと思う気持ちがふつふつとわき上がってくる、とても勇気をもらえるコミックである。